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2019.04.29

ザ・美術骨董ショーラインナップ

今年もこの時期がやって来ました。ゴールデンウィークは東プリのフェア、と名高いザ・美術骨董ショーが開催されます。

ギャラリー久我として、8回目の参加になりました。思えば、ロンドンから帰国し、アンティークの私の師匠であったピーター先生と一緒に、初参加が2012年。それから思いもかけず、師匠が逝去し、2015年からは早くも独り立ちすることに。

皆様のおかげでこうして8回目の参加を迎える事ができますことに深く感謝しております。

今年のラインナップはかなり面白いものになりましたので画像でもご紹介いたします。

 

日本の誇る精緻工芸品である根付。左は、江戸期の洋犬です。大きな鈴をつけられて、この時代、どれほど希少で愛されていたのかがわかります。おそらく飼い主の注文だったに違いありません。素材は鹿角。

右は、明治期の象牙の根付。銘が光次とはいっています。一昨年から、昨年時までロンドンのボナムズで、3回にわたって開催されたカッチェンコレクション根付オークションの中で、同じ光次による同手の根付がありました。しかし、出来はこちらの方がはるかに良いですね。

足元の実をついばんでいる鶴の後ろには蓑亀がいる作品。

 

 

こちらはペルシャ陶器。この手の焼き物をミナイ手と呼びます。

ミナイとは、エナメルを意味し、多色のエナメルで上絵が書かれた陶器を指します。手、とは手法を意味します。

成形した器に白、またはターコイズブルーの釉薬をかけて窯で焼き、その後、高温で定着する色の顔料で彩画し、その度に焼きます。

主にイランで製作された、12世紀の作品。この頃に、中国の素晴らしい陶磁器がシルクロード経由で中東にもたどり着き、その憧れからこのようなミナイ手の作品が数々製作されたそうです。宮内庁御用達でもある、今でも生産販売の深川製磁のお皿。

でも、こちらは明治ー大正にかけての古い作品です。なんといっても珍しいのが日本猫がモチーフになっているということですね。この手の作品は大変珍しいですね。(ニュウあり)

最後は、日中の色の競演。

右は、日本、明治期の和ガラスの水孟。こちらなど象牙の蓋をつけて、夏用の茶入にしてみても面白いかもしれませんね。

左は、中国清朝に咲いた華、鼻煙壺。華やかな濃いサーモンピンクの混ぜガラスに珊瑚の蓋がついて色鮮やかです。

 

他にも沢山の物語の詰まった素晴らしい工芸品を多くご用意し、皆様のご来場をお待ちしております。