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2020.01.31

[Event report] スティーブ・ハリソンのうつわと楽しむチーズの会 イタリア編

2020年、ギャラリー久我は、人気のイベントでスタート致しました。

Bon fromage主宰のJSAソムリエ&チーズプロフェッショナル、河西佳子先生が選んでくださる国別チーズを、お話とともに頂く会です。

おかげさまで、とてもご好評いただいております。

河西先生の豊富な知識は、その土地の歴史、土壌なども網羅しており、その分私たちもチーズへの理解が深まるというもの。

合わせる飲み物も、とてもチーズにあう、そして珍しいチョイスをしてくださいました。

今回は、イタリアチーズ編。

南北に長いイタリアでは、その食生活も異なります。

そのため、南北イタリアチーズにもそれぞれ大きな特色がありました。

バターをベースとした北イタリアの食生活から産まれるチーズ、そしてオリーブオイルをベースとする南イタリアで産まれるチーズ。

気候的にも、暖かいため、鮮度が売りになるフレッシュチーズが多い南イタリアに比べて、山がちの北イタリアのチーズ製作は保存のために、その製作工程も、もっと複雑で、手が込んでいます。

中でも、北イタリアを代表とするパルミジャーノ・レジャーノは、職人が製作の工程でほとんど休めません。そのため、パルミジャーノ職人だというだけで周りから大変な信頼を得、そしてパルミジャーノは銀行の担保にもなり得るとのことでした。

イタリア人にとって(特に北イタリア人にとっては)パルミジャーノは、日本のお出汁に匹敵するソウルフードであり、パスタや肉料理などにもなんでも削り、ふりかけてコクを出すのだそう。

それから、ホエーの扱い(チーズを作る際に出る水分、乳清)に関しても大変面白い話を伺いました。

なんと、ローマ時代の大カトーの時代から、100匹の羊に10頭の豚を飼うように(『農業論』)と言われていたのだそうです。

というのは、羊のチーズを作る際、出るホエーを、豚が食べることによって、ホエーの循環ができるからなのですね。

それは現代でも同じで、時々スーパーで見かける「ホエー豚」というのがそれ。

さて、今回合わせた飲み物は、モスト・ドゥーバ(Most d’Uva)。

こちらは北イタリアモデナのノンアルコールのいわゆるブドウジュース。収穫したばかりのぶどうを皮ごと55-65度で1−2時間ほど煮詰め、それを濾したもので、ポリフェノールや、ビタミンB1,B6,C,マグネシウム、カルシウムなどが豊富に含まれているとても体に良い飲み物なのです。

これは1:1に希釈していただきます。(原液でも美味しいです)

このモスト、私も初めていただきましたが、参加者の間でも大好評でした。

その他、いわゆる食後酒のパッシート、こちらはアルコール分が14度くらいありますが、甘口のこのワイン、ゴルゴンゾーラとの愛称はぴったりです。

チーズのお供として、枝付き干しぶどう、くるみ、バルサミコ、ぶどう果汁を煮詰めたコット(COTTO)など。

イタリアチーズは、日本でもかなり市民権を得ているチーズだと思うのですが、学んでみると深い深い!

全ての発酵食品は、その土地の環境に大きく影響されますから、奥深いのも当然ですね。

これからもチーズを通して、世界を旅して参りましょう。

スティーブ・ハリソンのうつわと楽しむチーズの会 イタリア編

*タレッジョ

*ゴルゴンゾーラ ピッカンテ

*ゴルゴンゾーラ ドルチェ

*パルミジャーノ・レッジャーノ

*ペコリーノ・ロマーノ

*アジアーゴ・プレッサーノ

*ロビオラ・ディ・ブーファロ

飲み物

*モスト・ドウーバ

*パッシート