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ブログ

2019.08.12

旅の効用2-アルバニア旅行

日本人の99、5%が生涯行くことがないと言われているアルバニアへ行って来ました。

自然は手付かず、そしてギリシャ、ローマ時代からオスマン帝国時代の遺跡など、見所がたくさんありすぎるアルバニア。

アドリア海、イオニア海に面していて、お隣はギリシャ、海の対岸はイタリアです。

アルバニアは、第二次大戦後は、社会主義、そして独裁主義へと、負の歴史が1991年まで続いており、国は鎖国状態でした。

昨今では、ようやく観光客も国の人口を上回る勢いで増えて来ました。(アルバニア人口は420万、昨年の観光客は700万)

それでもロンドンからといえども、なかなか行こうという感じの国でもありません。

しかし、私は、今年は旅をしたくて、しかも行ったことのないところへ行きたいと思っていました。

アルバニアは、イタリアに近く、「ヨーロッパ最後の秘境」と呼ばれていることもあり、旅先に決めたのでした。(最悪、イタリア語が通じるのではないかという期待を込めて)

流石に自分達だけでうろうろすることは難しそうだなあーと思い(なんと言ってもアルバニアの電車など公共乗物が全くあてにならないことが大きな理由)プライヴェートのツアーを予約することに。

首都のティラナからローマ時代の劇場遺跡が残るデュラス、そして「千の窓」の世界遺産の町、ベラト、お城からの眺めが絶景のジロカストラ、青い泉がこんこんと湧き出るブルーアイ、ローマ時代の遺跡が広い国立公園内に点在するやはり世界遺産のブトリント、海辺の町サランダ、ローマ初代皇帝、アウグストゥスが学問を学んだアポロニア、オールドバザールが有名なクルヤを見学し、最後に首都ティラナに戻りました。

「千の窓」と呼ばれる世界遺産の町、ベラト

お城からの眺めが絶景
ジロカストラ

 

50メートルの深さからこんこんと湧き出る美しいブルーの泉、ブルーアイ

 

ローマ時代の遺跡が国立公園内に残る世界遺産、ブトリント

 

海辺のリゾート、サランダ

 

ローマ帝国初代皇帝、アウグストウスが学んだアポロニア

 

首都には自分達で追加で2泊し、町の朝、昼、夜の表情を見ることもできました。

ついこの間まで、独裁者が組織したシグリミと呼ばれる秘密警察によって国民が監視されていた国、アルバニアの首都・ティラナ。

独裁者の勝手な思い込み(アルバニアは核攻撃を受けるに違いないという)により、国民がバンカーと呼ばれる地下施設を作ることを強制されました。そのためアルバニアには使い道のないバンカーがなんと16万個もあります。

そのバンカーのうち、内務省と地下で通じているバンカーが博物館になっています。地下部屋はなんと24個もあり、そこで社会主義時代の治安維持、政治犯の扱い、17種類もの拷問の方法などが、当時の手紙や道具とともに展示されているわけです。当時の記録を読んでいると、ひたひたと恐怖に囚われます。

 

いかにも社会主義モザイク画のある国立歴史博物館

 

バンカー(トーチカ)

 

ミュージアムになったバンカー

 

ジロカストラの城内にある社会主義を讃える像

 

バンクアート内の部屋を見ているうちに、気持ちがだんだん暗くなりました。やっと見終えて、外へ出ると、夏の遅い夕暮れを楽しむアルバニアの人々がレストランやカフェで、友人たちとビールやコーヒーを飲みながらおしゃべりに興じています。

とても気持ちが救われました。

大変な時代を乗り越えてきたアルバニアの人々がこれからもずっとずっとこのような夏の楽しい時間を過ごせますように、と願わずにはいられません。

夜9時ごろ、スカンデルベルグ広場を散歩しました。

広場全体がライトアップされ、噴水が吹き上げ、その中を子供達が楽しそうに走り回ったり、自転車で駆け抜けたりしています。

ティラナ、ライトアップされた町

 

町はとても平和。夜歩いていても安全です。

 

一方、バルカン半島の歴史に思いを巡らすと、なんと複雑なことでしょう。

現在は、スロヴェニア、クロアチア、ボスニアヘルツェゴビナ、アルバニア、コソボ、セルビア、モンテネグロそしてマケドニア。これらの国々がバルカン半島にひしめいています。

それぞれの歴史と異なる民族。

世界は狭くなったような、いや、やはり広い。

実際に行って見なければ体感し得ないこともたくさんあります。

アルバニアの英雄、スカンデルベルグのことを知り、そしてインド系アルバニア人であったマザー・テレサに思いを馳せ、そして私たちのガイドさんが最後に私たちに伝えてくれたメッセージ、「アルバニアの正しい情報をあなたからお友達に伝えてください」を心に刻みました。

アルバニアの自然や歴史の厚さに感動し、また同時に平和の尊さを強烈に感じた旅となりました。

スカンデルベルグ広場