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2023.06.08
[Event Report ]石の不思議ーGallery Kuga x Port Doré
さて、先週末はジュエリーイベント。Port Doré ジュエリーの初お披露目となりました。
Port Doré ジュエリーは、他とは全く違うモノづくりをしていて、まずはそこにグッときました。
ジュエリーデザイナーReina.Tさんと知り合ったのは、拙ギャラリーにて2021年より毎年開催している考古発掘展「線とかたち」。
彼女が来廊してくれたのですが、故郷で拾ったカルセドニー(!)を自分で(!)研磨したというリングをしていたので話が大変弾みました。
私は石が好きです。光る石も、光らない石も大好き。
海に行って石を拾わずには帰らないタイプなのです。
(石好きが高じて、石を景色に見立てるというマニアックな水石なるものにまで手を出してしまいました。)
話をしていて、最初は彼女が宝石学を学び、後にジュエリーデザインをスタートしたことを知りました。
元々宝石の鑑別などの石そのものに特化した勉強をしていた彼女が、「線とかたち」で古代ローマの青銅リングを見たことで、2000年後にも残るリングを作りたい!と思い、それがきっかけとなって自らのジュエリーブランドPort Dore’を2020年に立ち上げたのだといいます。
ちなみに、Port Doréとは「黄金の港」の意味。キラキラした素敵なものが流れ着く港のイメージだそう。
古代文明好きの私としてはその理由も嬉しく、さらにPort Doréの特殊な素材使いを聞いて、「ぜひGallery Kugaでご一緒しましょう!」と声をかけるきっかけに。
Reinaさんがジュエリー制作に使うのはK24(24金)、つまり純金なのです。K24はK18や、K22と比べても柔らかい素材。
この素材でリングなどを作れば、使い方によっては形が歪んでしまうかもしれない。
しかし、K24にはそれを補って余りあるほどの魅力があります。
まず、その色。
私はもともとK22のジュエリーが好きなのですが、それでもK24と比べてしまうと金の色味が合金だな、と感じてしまいました。もはやK18はステンレスに見えてしまう。。
そしてK24は肌馴染みが良く、つけていて温かい感じがするのです。
K24のジュエリーというものは出回っていません。普通のジュエラーでは、素材へのクレームがリスクとなって扱えないのではないでしょうか。
実際、Port Dore’もジュエリー学校の先生にはK24はジュエリーにはふさわしくない素材、とご注意を受けたそうです。
とはいえ、ジュエリーは大切に扱うもの、リングで言えば、元々人の指の形はアルファベットの「D」の形をしていて決して新円ではないのですから 多少の歪みは想定内なのでは?と思ってしまいました。
また柔らかいので、ある意味歪みを戻すのもリング用の棒に入れたらできるのではないかしら。。(これは素人考えですが)
K24の良さを最大に活かすために、ギャラリーでの取り扱いはリングのみにしました。
リングであれば、まず自分の目に入りますし、肌馴染みの良さを体感することもできます。
また重ねづけなどのおしゃれも楽しめます。
その素材を生かすリングについた石がまた大変個性的で、聞いたことのない希少な石ばかり。
例えば、隕石(ギベオン隕石)、杉健一郎博士が発見したというスギライト。
エメラルドはエメラルドでも黒い6本の仕切りが入る、全エメラルドの中で1%しかないというラピチェエメラルド。
などなど、Reinaさんの石選定目線がまた独特で、他にはみられないもの。
リングひとつひとつに、Reinaさんの石と金への愛が詰まっているように思いました。
こういう純粋なモノづくりをしている方は是非とも応援したくなります。
細い金糸が編み込まれた五本編みリング。指にピタッと気持ちよくついて、リングをしていることを忘れてしまう。
光の粒が溢れてきそうなK24リング。五本編みとは違う、ずっしりと重みと存在感のあるリングです。
Port Dore’を絶対取り扱いたい、と最後の決め手になったのがダイヤモンドです。
Port Dore’の扱うダイヤはカットをしていないもの。(アンカットダイヤモンド、もしくはラフダイヤモンドとも言います)、要するに採掘されたままのダイヤモンドなのです。
とにかくカットなしなのに、そのままで美しくて最初は驚きました!
もちろんその分、仕入れは大変なようです。ダイヤモンドVS その他の石全て、というくらい仕入れルートが異なるそうです。
採掘されたままのダイヤモンドは80%が工業用に使われ、20%がジュエリーとして使われます。
元々、ダイヤモンドは150キロメートル以上の地下深く、高温高圧下のマグマ内で結晶し、その後火山活動によって地表近くにとてつもないスピードで 押し上げられ、わたしたちの手元に来るものなのですね。
深く眠っていたものが火山で噴火しそこから押し上げられるー地球のロマンです。
そしてそれがそのままの形でK24のリングになって、わたしたちの指にはめられる。
いわゆるカットしたダイヤモンドのようにピカピカギラギラはないのですが、時にキラッと品良く光るのです。
まるで発掘品のようなアンティークのような不思議な味わいに満ちたK24,ラフダイヤモンドのリング(石を選んでオーダー可)
こちらからラフダイヤモンドのルースをいくつかご紹介します。それぞれそのままで美しい石です。
K24,レアストーン、ラフダイヤモンド、この3拍子がPort Doréのジュエリーです。
Gallery Kugaではリングに特化し、これからも折に触れ、イベントやプライヴェートご予約で皆様にPort Dore’のジュエリーをご紹介していきたいと思っています。
早くも先日のイベントでは目の肥えたお客さま達からご好評いただきました。
ジュエリー上級者の方がすぐにPort Doréの良さをわかって下さり、嬉しく思いました。
Port Doréラインナップをご覧になりたい方はcontact
よりご連絡ください。
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