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2019.12.04
The Loft Pots 展 Preview
先のinformationでもお知らせした通り、11月28日のスティーブ・ハリソン個展The Loft Pots展プレビューに参加してまいりました。
プレビューは陽も落ちた18時スタート、まずは6時半の映画上映までそれぞれスモールトークを楽しみます。今回は,Nigel Slaterさんから、ロンドンセントラルで素敵なティーショップPOSTCARD TEASを経営されているTimさんをご紹介いただきました。
そうこうしているうちに階下へ移動し、まずショートフィルム、ORANGE PEELの第一回上映がスタート。
このORANGE PEELは、スティーブと長い付き合いのある写真家、Richard Cannon氏がウェールズの窯まで出向いて、その作陶の情景をフィルムにしたもの。私も8年前ほどに、1泊2日で伺ったことのある懐かしいウェールズの窯の光景が出て来て、改めてその進化具合いに感じ入りました。
このフィルムの中で一番ある意味ショッキングだったのは、出来上がった作品をスティーブが精査して、あるものはそのまま割ってしまうシーンだったのではないでしょうか。
塩釉作品の歩留まりは決して高くないのに、そこからまた自分のフィルターをかけて落としてしまう作品があるから、結果的に自分が認める作品数は決して多くないのだ、というスティーブの常日頃の言葉をまさに体現しているシーンだったと思います。
タイトルのORANGE PEELは、塩釉が、オレンジの皮みたいに見えること、そしてfiring(焼き)の色がオレンジ色にも見えるというダブルミーニングなのではないかなと想像します。
フィルムの後にはQ&Aコーナーもあって、熱心な陶芸家たちからの質問にスティーブが答えていました。

フィルム上映後は今度は同じ建物の上階に上がって、いよいよスティーブが、カードボードで作成したウェールズの窯を模したものの扉を開きます。
そこには2000-2019年までの、スティーブのアーカイブポットが整然と並べられ、来客は一斉にスマホを片手に画像撮影スタート!

プレビューでは、Fantasy Kilnをお披露目した後、ルーフトップでシャンパンが振舞われました。そこには椅子やテーブルなども用意されているので、ここでようやくゆっくり色々な方達とお話しすることもできました。
その中の一人が、Covent Gardenで素敵な文房具店Choosing Keepingを経営されているJulia。彼女の店では贅沢なことに什器にスティーブのテーブルやペンホルダーを使っています。スティーブと楽しい企画も進めているようで、今後が楽しみです。
今回の展覧会では図録が作成されました。
この図録の作りですが、もともと本が高価で,購入した人だけが読めた時代へのオマージュとして、全てのページが袋とじになっています。いちいちペーパーナイフで切り離さなければ作品写真も見られない、ということ。モダンでありながら、クラシックでもあるスティーブらしさ全開です。


ORANGE PEEL by Richard Cannon
楽しい夜は更けていき、10時をすぎてもなかなかみんな席をたとうとしないのが印象的でした。
スティーブの個展は始まったばかり。このまま年を超え、1月25日まで開催です。この時期にロンドン訪問の予定のある方は是非Blue Mountain Schoolをのぞいて見てくださいね。
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