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ブログ

2018.07.07

「型」に「血」を入れて「形」にすること

「型」に「血」を入れて「形」にすること

夏前の最後の茶の稽古に行ってきました。

昨日は戻り梅雨のような一日。雨の音を聴きながら稽古をしました。

最後の茶の稽古は広間での濃茶、そして私がそのまま広間で点てさせていただいた薄茶。

本来ならば環境が変わり(通常は薄茶の稽古は立礼式)気持ちがバタつくはずが、なぜか昨日は落ち着いて点てることが出来、 自分でも不思議だな、と思ったのですが。。。

ああ、先生のおっしゃっていたのは、これか、としみじみ納得したのです。

我が茶の師匠は、「この茶室を一歩出たら、すぐに稽古のことは忘れなさい。家で練習などはしないように」と仰います。

私のような単純な者は「おお、これは助かった」などど思っていただけなのですが、この言葉にはもっと深い意味があったのです。

まずは「家で自流で練習すると、よくない間違った癖がつく」ということ。
そして「頭で覚えず、身体で覚えることが一番大事」ということ。

更にその根底にある本当の意味は、「型」を身体で覚え、そこに暖かい「血」を注ぎ込むことによって(比喩ですが)それがようやく、 その人自身の「形」になっていく、ということでした。

個人の個性などというものは、まず「型」を体得し、そこに個人の「血」を入れてようやっと見えてくるもの、ということなんですね。

私が茶の稽古を再開してから何年か経ちましたが、やっとそのとば口に立てたような気がした昨日の稽古でした。